大判例

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東京高等裁判所 平成4年(う)786号 判決

所論は,原審の判決裁判所を構成した右陪席裁判官Nはいわゆる判検交流により検察官から転官した者であり,その経歴等にかんがみ当事者と特別の関係があるから,同裁判官が本件の審理・判決に関与することは不平等な裁判をする虞れがあり,忌避理由にあたるというべく,したがって,原判決には刑事訴訟法377条2号所定の事由があり,ひいては憲法37条1項にも違反しているといわなければならないというのである。

しかしながら,裁判官として任命された者は,すべてその良心に従い独立してその職務を行い,憲法及び法律にのみ拘束されるものであるから,右裁判官が所論の指摘するような経歴を有しているとしても,同裁判官が検察官在職当時本件について検察官として何らかの具体的な職務行為をしたというような事情の全く認められない本件において,同裁判官の経歴等を理由として当事者との特別な関係があって,同裁判官が本件の審理及び判決に関与することが不公平な裁判をする虞れがあるときにあたることになるという筋合いは毫もなく,所論は,独自の見解を展開するものにすぎず,採用できない。論旨は理由がない。

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